メティエ・ダール

デコラティブ・アート

 

創造性を最大限に発揮した熟練の技

ジョン・アーノルドとその息子ジョン・ロジャー・アーノルドは、時計作りに示した革新性と最先端の技術によって、押しも押されもせぬ評判を得ました。しかし、はじめから2人の作る精巧で美しいムーブメントは、時計の装飾的な面を映し出すものでもありました。ジョン・アーノルドの名声を確かなものにしたのは、ジョージ三世に献上された、意匠を凝らした装飾のあるハーフクォーターリピーターでした。他の作品には、手彫りムーブメントの懐中時計やシャンルベエナメルのケースもあります。マリンクロノメーターでさえも、英国風に花をモチーフにした手彫りのテンプ受けを使いました。

創設者に忠実なアーノルド&サンは、現在でも慎重に創造性あふれる熟練の技を受け継ぎ、養ってきました。手仕上げの刻印と細密画という、ブランドの歴史ある特徴を守り続けています。現在アーノルド&サンには、伝統的なアートワークを専門とする、才能ある手彫り職人が何人もいます。このような職人たちは、ビュランと呼ばれる硬化鋼の工具など、いろいろな工具を使って仕事をしています。これらの工具でカットや筋彫りをしたり、テクスチャを作り込んだりしてイメージを形にし、時には、息を呑むような細かな細工も行ないます。こうした細工が、ロイヤルコレクションや、インストゥルメントコレクションの文字盤、ムーブメント自体の精緻かつ繊細な部分を特徴づけています。たとえばHMSビクトリー・セットは、有名な戦艦HMSビクトリー号の3つの場面を表現しています。TE8は、ユニークなモチーフの施された手彫りのムーブメントが見事です。インストゥルメントコレクションのUTTEは、トゥールビヨンブリッジに手彫りの細工が施されています。

アーノルド&サンが伝統的な熟練の技を重視していることは、ホーネット・ジェームズ・クック・セットの有名な三度にわたる航海の場面を描いた繊細な手仕上げの細密画、東インド会社セットの真珠層の背景が透けて見えるほどの手仕上げの透かし彫り細工を見ればおわかりいただけるでしょう。

© 2018 Arnold & Son